辛ラーメン(農心)には発がん性があると報道された。発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されたニュースが話題になっている

辛ラーメン(農心)には発がん性があると報道された。発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されたニュースが話題になっている

辛ラーメン(農心)には発がん性があると報道された。発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されたニュースが話題になっている。そして、他にも危ない食品添加物があると連鎖的に騒がれているものもあるが、本当に大騒ぎするものなのだろうか。

辛ラーメンから「ベンゾピレン」が検出

辛ラーメン(農心)という韓国のインスタントラーメンから、発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されたとされるニュースが話題になった。

だが、実は辛ラーメンには対象となる物質が使われていなかったといわれている。

しかも、発がん物質ベンゾピレンの検出された数値は、人体の安全に影響を与えない数値だったともいわれている。

そもそも「ベンゾピレン」は「肉や魚の焦げ」でも検知されるもので「体に蓄積した場合はがんを誘発する」とされている。

ところが、新聞や週刊誌などではさっそく、「ベンゾピレン以外にも危ない食品添加物がある」という趣旨の記事を書いてセンセーショナリズムを発揮している。

たとえば、『日刊ゲンダイ』(10月30日付)では、具体的に、亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸、アスパルテーム赤色2号、過酸化水素水、BHA、OPP、などを挙げている。

私もそうだが、とくに子どものいる消費者はたいてい、食品添加物は気をつけたいと考えるだろう。

そこで、そのような記事を見ると、パニックとはいわないまでも、食品に対する選別がともすればこれまでよりも神経質になってしまうことがある。

しかし、そうした記事は、意味や使用量など関係なく、発がんした動物実験があると、それを根拠に鬼の首でもとったように危機感をあおるものがある。

『買ってはいけない』という本が専門家からダメ出しされていたが、私も合理的とはいえないリスクの煽りには批判的である。

『日刊ゲンダイ』が挙げている例から考えよう。

明日パールテームの危険性?

上記のアスパルテームだが、『買ってはいけない』では、妊婦がアスパルテームを摂取した場合、「血中の分解性悪く、胎児の血中に高濃度のフェニールアラニンが残る可能性の報告」との記述がある。

そして、妊婦がアスパルテーム入りの食品を食べると、生まれてくる子供が「フェニルケトン尿症」になることを心配している。

さらに、「脳神経異常・発がん性・ポリープ発生・目に奇形・生殖障害・体重の減少・血液異常などなど。アメリカでは、子どもの脳腫瘍などの引き金になるといった論争が再燃」など、リスクのデパートのように描かれている。

結論から書くと、これは合理的な判断とは言いがたい煽りである。

アスパルテームは、砂糖の200倍といわれる甘味料だ。

砂糖を使うよりも効率的で、かつ糖分過多にならないようにという理由で、アスパルテームはアイスクリームやガム、炭酸飲料といった大衆向け菓子類を中心に食品全般幅広く使われている。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つのアミノ酸分子を結合させて製造されたもので、どちらも私たちの身体を作っているたんぱく質の材料として構成されている。

つまり、私たちは妊婦を含めて、年間に一定量のアスパルテームを口にしているだけでなく、体作りに無縁ではない物質ということだ。

常識的に考えて、それでそのような病気・症状が起こっていたら、病人だらけになっていたっておかしくないだろう。

フェニルケトン尿症は、フェニルアラニンの代謝が阻害され起る疾病である。

日本では、新生児約8万人に1人の割合で起こるとすでに統計も出ているもので、1983年に使用が許可されたアスパルテームを摂取したから起こるという統計の根拠はない。

私が「パルスィート」というアスパルテーム含有甘味料のメーカーに販売員経由で問い合わせたところ、1スティック中のアスパルテーム含有量は「約15mg」という。

考えても見てほしい。

15mgで代謝異常が起こるようなら、薬品、それも劇薬扱いだろう。

「発がん性」は、アスパルテームがジケトピペラジンとメタノールに分解され、メタノール自体に毒性があるだけでなく、ジケトピペラジンが胃の中で亜硝酸塩と結合してニトロサミンという発がん物質を生成するとの報告に基づいている。

しかし、メタノールによる致死量は体重60キロの人なら25グラムといわれている。

繰り返すが、パルスイートなら15mgである。

ということは、コーヒーに1袋入れたとして133杯飲まないと到達しない数字である。

ジケトピペラジンの報告にしても、発がん性はラットに1.5~3グラム/キログラム投与した時にみられた結果である。

人間に直せば、生後1歳の赤ん坊で15~30グラム、体重50kgの成人で75~150グラム摂取した場合の話である。

これ自体、現実的ではない数字で、しかも追試では腫瘍との関連自体が認められていない。

複数のアスパルテーム入り食品を摂取すれば摂取量は上がるが、さすがにそのような数字にはならないだろう。

そもそも、日々食べ続けたとしても、単純な足し算で体に蓄積されるわけではなく、排泄されていく。

これは、アスパルテームが全く無害だといっているのではない。

量的にリスクが現実的でないといっているのだ。

アスパルテームだけがリスクがあるわけではない

そもそも、どんな食材であろうが、メリットもあればデメリットもある。

『買ってはいけない』では触れていないが、実は健康のために摂るべしといわれている野菜も、胃の中である種の発がん物質を発生するといわれている。

野菜は副食の中心的な食材だから、添加物であるアスパルテームなどとは比べ物にならないリスクがあるはずだ。

しかし、野菜は危ないから食べるな、という話にはならないし、がんの発生に野菜を疑うこともない。

野菜には摂取のメリットがあることと、発がん実験があった物質を含むことと、それを食べたらがんになる、ということは、即結びつくわけではない。

にもかかわらず、アスパルテームの摂取だけに、ことさら7つも8つもの病気・症状を結びつけるのは、おかしいだろう。

まあ、そう書いている私も、好んでそうした食品添加物の入っているものは子どもに食べさせない。

唯一、噛むことにメリットがあるチューインガム(キシリトールガム)だけは、アスパルテーム入りと知っていて食べさせている。

市販品は、必ず裏の原材料を見るし、子どものおやつは、ショートニングと乳製品を使わない蒸しケーキを作るなどしている。

まあアスパルテーム云々というよりも、ショートニング対策だが。

いずれにしても、自分の力で避けられる範囲なら、なるべく避けようという「予防原則」といったところだ。

自然科学の世界には「予防原則」という言葉がある。

科学的にわかっていないものについて、結論が出ていなくても、というより結論が出ていないからこそ、それを規制したり回避したりする立場のことである。

だから、各家庭や個人の判断で、得体の知れない食品添加物を避ける生活をすることは間違っているとは思わない。

しかし、根拠として使えないものを口実にリスクを吹聴することについては、似て非なる“ニセ科学”だと思う。

みなさんは、食品添加物を気にされますか。

以上、辛ラーメン(農心)には発がん性があると報道された。発がん性物質「ベンゾピレン」が検出されたニュースが話題になっている、でした。

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